2026年4月12日
Japan Culture Network 編集部
春の編集会議から
第1号の編集会議で繰り返し出た言葉は「層」だった。漆の塗り重ね、街の時間軸、和歌の系譜——どれも複数の層が積み重なって、いまの形を支えている。本号はその「層」を読む試みである。
NOTES · 編集部ノート
記事にするには短すぎる、けれども書き留めておきたい——そのあいだにある編集部の思考の断片を、ここに残しています。
第1号の編集会議で繰り返し出た言葉は「層」だった。漆の塗り重ね、街の時間軸、和歌の系譜——どれも複数の層が積み重なって、いまの形を支えている。本号はその「層」を読む試みである。
飛騨の木工師の仕事場で印象に残ったのは、木の前で長く沈黙する時間だった。手を動かす前に、まず木を見る。その所作の長さが、出来上がる家具の表情を決めている。
紅型の取材中に、色見本帳の経年変化を見せてもらった。同じ顔料でも、五年経つと色が落ち着き、二十年で別の色に近づく。染めは完成したあとも生きている、という言葉が腑に落ちた。
創刊前から、読者の方々に試読版を配布した。寄せられた感想のなかで多かったのは「速度の遅さ」への支持だった。情報過多のなかで、ゆっくり読める雑誌の存在意義について、編集部内で議論を続けている。
京都の禅寺で精進料理の取材を終えた。台所に立つ典座の動作には無駄がなく、食材ひとつにかける思考の量に圧倒された。料理は思想である、という古い言葉の意味を、改めて考えさせられる。
第2号は「夏」を編集軸に据える予定である。夏祭、海辺の暮らし、夏の発酵——気温と湿度が文化に与える影響を、各地の取材で追いかけたい。
本ノートは月1〜2回程度、不定期に更新されます。
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